小学校 道徳教科書の学校図書 かがやけみらい(小学校)の教材、「今しかできないことをがんばって!」の内容です。

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今しかできないことをがんばって!

内容項目 主として自分自身に関すること
希望と勇気、努力と強い意志
学図5年活動_ページ_01
1.本教材について ▼レスリングの世界大会で16連覇を達成し,オリンピックでも金メダリストとなった吉田沙保里さんのそれまでの生い立ちと,「夢をもって目標をたてて『今』をしっかり生きてほしいと願っている。」という吉田さんからのメッセージの教材です。

▼夢を持ち,計画をたてその夢に向かって努力を積み重ねていっても,誰でもその夢がかなうわけではありません。夢をかなえたごく一握りの人から,「あきらめずにがんばれ,努力すればいつか必ず夢はかなう」と言われても,5年生にもなれば,そうばかりではないことは知っています。がんばること,努力することの意味は,成功した人の話で信じることはできないでしょう。また,「がんばれ」「あきらめるな」と繰り返されるメッセージに,逆に追い詰められる気持ちになる子どもたちもいるのではないでしょうか。

▼教材文の吉田沙保里さんのメッセージからは,吉田さん自身は「夢を追いかけること」と「『今』をしっかり生きること」が小学生の頃からストレートにつながっていました。それは幸せなことなのかもしれません。けれども,「夢を追いかける」ということと「『今』をけん命に生きる」ということが,つながらない人がたくさんいるし,努力が結果に結びつかない人がたくさんいるのが現実です。
 
▼夢をもつことで,今何をすべきかということが見えてくることはありますが,夢と直接つながらなくても、現実の中で立ち現れてくる「課題」の一つずつに取り組んでいくことや、小さなことでも,「よし,やった,できた」という成功体験を積み重ねていくことが,夢を実現する力になるし,夢が破れて挫折した時に,そこから立ち上がり、次をめざす力になるのではないでしょうか。

▼教材P83と別冊P12にも、2012年ロンドンオリンピックで優勝したときの写真に、今年の6月14日パワハラ問題で公益財団法人日本レスリング協会強化本部長を解任された栄和人・至学館大学監督が吉田沙保里さんと、父と共に掲載されています。公的な機関がパワハラを認定し、本人も吉田さん他関係者に謝罪をしているのですから、この教材を扱う場合は道徳の教科書にパワハラを行った人物を掲載することは不適切であることを認識する必要があります。不適切な教材として扱わないという選択肢もあります。
2.本教材を扱う際に、特に注意すべきだと考えたこと ▼夢を実現することはうれしくて幸せなことです。結果を求めるのではなくて,夢をもつ楽しさ,夢を追いかける楽しさ,もあるんだということがわかるといいなと思います。  

▼今,夢をもつことができなくても,目の前の課題に一つずつ取り組んでいく中で少しずつ夢が固まっていくこともあることを知ってほしいと思います。

▼別冊P13の「目標や夢に向かって努力しよう」の文章と山登りの絵は,「夢を持たなくてはならない」「正しい答えはこれです。」と言っているようなものです。夢をもたないことが悪いことではないし,夢をもつことを強制する必要はありません。
指導案はPDFをご覧ください。
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