小学校 道徳教科書
東京書籍 新しいどうとく
ひさの星
内容項目 | 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること |
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感動、畏敬の念 |
1.本教材について
ひさは自己主張をしない無口な子。川に落ちた幼い子を助けるため、ひさは濁流に飛び込む。子どもは助かったがひさは命を落とす。翌日から輝き始めた青白い星を見て村の人々は「ひさの星が出てる」と言い合う。 ▼本学習では、ひさの心を「美しいもの、気高いもの、大いなるもの」とし、「感動・畏敬の念」の対象として学ばせようとしている。しかし、この作品を自由に読書したときのレビューを検索してみると、悲しい、切ない、辛い、残酷、その他多様な感想が見られ、「美しい」という感想はごく少ない。 文学作品に徳目を当てはめて、その方向に誘導して読ませることは、作品の本来の価値を歪めるものである。 また、死を美化し、自己犠牲を美しく気高いものとして読ませることは、命と人権を大切にする観点から問題がある。
2.本教材を扱う際に、特に注意すべきだと考えたこと
〇【東京書籍】では、題名の右に「美しいもの、気高いもの、大いなるもの」と書いている。【学校図書】では、「心の美しさ」「ひさの星」と並べて書いている。これを目にすれば、自己犠牲の美しさへと読みが方向づけられてしまう。そこで、この記述に方向づけられることなく自由な感想をもつことができるようにする手立てが必要となる。絵本の「読み聞かせ」も一案である。
参考資料
「ひさの星」(創作絵本7)斉藤隆介;著、岩崎ちひろ;絵、岩崎書店
参考資料